しののめの明けゆく空も帰るには
涙にくるるものにぞありける
- 歌の意味
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夜明けの明けてゆく空も、あの人のもとから帰る時には、涙のために暗くなるものであったのだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 423
夜明けの明るくなってゆく空も、逢った後に恋人のもとから帰るときには、涙にくもって暮れたように暗く見えるものだった、と詠む歌である。明けゆく空と涙に暮れる目とを対照させ、後朝の別れのつらさを表している。
後朝の別れを詠む歌は本巻の第四百八十首にもあり、帰る朝の思いに比べるものはないと詠んでいる。
初句「しののめの」は、夜明け方のの意である。
二句「明けゆく空も」は、しだいに明るくなってゆく空もの意で、四句の「くるる」と明暗の対をなしている。
三句「帰るには」は、恋人のもとから帰る時にはの意で、逢った翌朝の後朝の別れをいう。
四句「涙にくるる」の「くるる」は、日が暮れる意の「暮るる」と、涙で目の前が暗くなる意の「眩るる」とを掛けており、平仮名のままとした。
結句「ものにぞありける」は、ものであったのだの意で、係助詞「ぞ」を受けて、詠嘆の「けり」の連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。
しののめ:夜明け方、明け方
くる:日が「暮る」意と、涙で目の前が暗くなる「眩る」意を掛ける
きぬぎぬ:男女が共寝した翌朝の別れ
- 出典
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金葉和歌集
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恋ひわたる人に見せばや松の葉の 下紅葉する天の橋立
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