恋ひわびて寝ぬ夜積もれば敷妙の
枕さへこそうとくなりけれ
- 歌の意味
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恋に思い悩んで眠れない夜が積もってゆくので、枕までもがよそよそしいものになってしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 425
恋に悩み眠れない夜が重なるうちに、あの人ばかりか、枕までもが自分にうとくなってしまった、と詠む歌である。共寝がかなわないばかりか、ひとり寝さえできない夜が続く苦しさを、枕を擬人化して表している。
初句「恋ひわびて」は本巻の第四百三十五首、第四百六十五首にも用いられ、恋に悩む心から詠み起こす歌が巻の中に散らして配されている。
作者の「顕輔」は、六条藤家の祖藤原顕季の子で、左京大夫に至った藤原顕輔である。崇徳院の命を受けて詞花和歌集を撰進した。
初句「恋ひわびて」は、恋に思い悩んでの意である。本巻の第四百三十五首、第四百六十五首も同じ初句で始まっている。
二句「寝ぬ夜積もれば」は、眠れない夜が重なるのでの意で、打消の「ず」の連体形「ぬ」と、順接の確定条件を表す「ば」を用いる。
三句「敷妙の」は「枕」にかかる枕詞である。
四句「枕さへこそ」は、枕までもがの意で、副助詞「さへ」は添加を表し、恋人ばかりか枕までもの意となる。係助詞「こそ」は結句の「けれ」と係り結びをなしている。
結句「うとくなりけれ」は、親しみがなくなってしまったことだの意で、詠嘆の「けり」の已然形「けれ」で、四句の「こそ」を受けて結んでいる。
こひわぶ:恋に思い悩む
しきたへ:寝床に敷く布。「枕」「床」などにかかる枕詞
- 作者
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藤原顕輔
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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いとどしく面影に立つ今宵かな 月を見よとも契らざりしに
- 次の歌
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世とともに袖のかわかぬ我が恋や としまが磯に寄する白波