つらきをも思ひも知らぬ身のほどに
恋しさいかで忘れざるらむ
- 歌の意味
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あの人の薄情さを思い知ることもない、この身のありさまでありながら、どうして恋しさだけは忘れずにいるのだろう。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 437
あの人のつれなさを思い知ることさえできないこの身なのに、恋しさだけはどうして忘れられないのだろう、と詠む歌である。相手の冷たさを身にしみて悟ることもできず、恋しさばかりが残る自分の心を、いぶかしむ形で嘆いている。
作者の「仲正」は、源頼綱の子で、源頼政の父にあたる源仲正である。堀河天皇の時代から歌人として活動した。
初句「つらきをも」は、相手の薄情さをもの意である。
二句「思ひも知らぬ」は、思い知ることもないの意である。
三句「身のほどに」は、この身のありさまでの意で、格助詞「に」が逆接の意を帯びている。
四句「恋しさいかで」は、恋しさはどうしての意で、疑問の副詞「いかで」を用いる。
結句「忘れざるらむ」は、忘れないでいるのだろうの意で、打消の「ず」の連体形「ざる」に現在推量の「らむ」が付き、四句の「いかで」と呼応して原因を推量している。
みのほど:わが身のありさま、身の上
- 作者
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源仲正
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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逢ふことのひさしに葺けるあやめ草 ただかりそめのつまとこそ見れ
- 次の歌
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先の世の契りを知らではかなくも 人をつらしと思ひけるかな