今よりは思ひも出でじ恨めしと
言ふも頼みのかかる限りぞ
- 歌の意味
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今からはもう思い出すまい。恨めしいと言うのも、まだ頼みにする気持ちが心にかかっている間だけのことなのだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 440
今後はもう思い出すまい、恨めしいと口にするのも、相手をあてにする心が残っているうちのことなのだから、と詠む歌である。恨むことさえやめようとする決意に、望みの尽きた恋の終わりを表している。
本巻の第四百三十首が心変わりした相手を「うらめしきかな」と恨んだのに対し、本歌は恨むことさえ頼みのあるうちのことだと退けており、恨みの先にある思い切りを詠んでいる。
初句「今よりは」は、今からはの意である。
二句「思ひも出でじ」は、思い出すこともするまいの意で、打消意志の「じ」を用いる。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「恨めしと」は、恨めしいとの意である。
四句「言ふも頼みの」は、言うのも頼みのの意で、「頼み」は相手をあてにする心をいう。
結句「かかる限りぞ」は、心にかかっている間だけのことなのだの意で、係助詞「ぞ」で強く言い切っている。
たのみ:あてにする心、期待
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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忘れ草しげれる宿を来て見れば 思ひのきより生ふるなりけり
- 次の歌
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思ひきや逢ひ見し夜半の嬉しさに 後のつらさのまさるべしとは