さのみやは我が身の憂きになし果てて
人のつらさを恨みざるべき
- 歌の意味
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そうばかり、すべてをわが身のつらい運命のせいにしてしまって、あの人の薄情さを恨まずにいられようか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 455
すべてを自分の不運のせいにしてしまって、あの人の薄情さを恨まずにいられようか、いや恨まずにはいられない、と詠む歌である。自分を責めて諦めようとしながらも、相手を恨む心を抑えきれない葛藤を、反語によって表している。
本巻の第四百三十八首は前世の因縁を知らずに人をつらいと思ったことを省みており、本歌はその反対に、わが身のせいにばかりはしていられないと詠んでいる。本巻の第四百八十八首もまた、わが身を恨むことを詠んでいる。
初句「さのみやは」は、そうばかりの意で、係助詞「やは」は反語を表し、結句の「べき」と係り結びをなしている。
二句「我が身の憂きに」は、わが身のつらい運命にの意である。
三句「なし果てて」は、すっかりそのせいにしてしまっての意である。
四句「人のつらさを」は、あの人の薄情さをの意である。
結句「恨みざるべき」は、恨まずにいられようかの意で、打消の「ず」の連体形「ざる」に当然の「べし」の連体形「べき」が付き、初句の「やは」を受けて結び、反語となっている。
なしはつ:すっかりそのようにしてしまう
- 出典
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金葉和歌集
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逢ふこともなごえにあさる葦鴨の うき寝をなくと人は知らずや
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名に立てるあはでの浦のあまだにも みるめはかづくものとこそ聞け