めづらしや岩間に淀む忘れ水
幾日を過ぎて思ひ出づらむ
- 歌の意味
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めずらしいことだ。岩間に淀んで人に忘れられていた水のような私を、幾日を過ぎて思い出したのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 458
岩間に淀んで人に忘れられている水のような自分を、いったい幾日たってから思い出したのだろうか、めずらしいことだ、と詠む歌である。久しく途絶えていた相手から便りがあった折の、皮肉を込めた驚きを表しているとみられる。
初句「めづらしや」は、めずらしいことだの意で、詠嘆の間投助詞「や」で句切れとなる初句切れの歌である。
二句「岩間に淀む」は、岩の間にとどこおっているの意である。
三句「忘れ水」は、人に知られずにひっそりと流れる水の意で、忘れられた自分をたとえている。
四句「幾日を過ぎて」は、幾日を経てからの意である。
結句「思ひ出づらむ」は、思い出したのだろうかの意で、現在推量の「らむ」を用い、相手が思い出すまでの日数をいぶかっている。
いはま:岩と岩の間
よどむ:水の流れがとどこおる
わすれみづ:人に知られずにひっそりと流れる水
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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今人の心をみわの山にてぞ すぎにし方は思ひ知らるる
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たまさかに逢ふ夜は夢の心地して 恋しもなどかうつつなるらむ