たまさかに逢ふ夜は夢の心地して
恋しもなどかうつつなるらむ
- 歌の意味
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たまに逢う夜は夢のような心地がするのに、恋しさばかりはどうして現実なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 459
まれに逢える夜は夢のようにはかなく感じられるのに、恋しく思う苦しさのほうはどうしてこれほど現実なのだろう、と詠む歌である。夢と現実を対比させ、逢瀬のはかなさと恋の苦しみの確かさを表している。
本巻の第四百六十二首も初句「たまさかに」で始まり、まれにしか訪れのない恋を詠んでいる。本巻の第四百四十一首が逢った夜のうれしさにまさる後のつらさを詠むのとも通じている。
初句「たまさかに」は、たまに、まれにの意である。本巻の第四百六十二首も同じ初句で始まっている。
二句「逢ふ夜は夢の」は、逢う夜は夢のの意である。
三句「心地して」は、ような気持ちがしての意で、下の句へ逆接的に続いている。
四句「恋しもなどか」は、恋しさはどうしての意で、疑問の副詞「など」に係助詞「か」が付き、結句の「らむ」と係り結びをなしている。
結句「うつつなるらむ」は、現実なのだろうかの意で、現在推量の「らむ」の連体形で、四句の「か」を受けて結んでいる。二句の「夢」と対をなしている。
たまさか:まれ、たまたま
うつつ:現実
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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めづらしや岩間に淀む忘れ水 幾日を過ぎて思ひ出づらむ
- 次の歌
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恋ひわぶる君に逢ふてふ言の葉は 偽りさへぞ嬉しかりける