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恋ひわぶる君に逢ふてふ言の葉は
偽りさへぞ嬉しかりける

歌の意味
恋い悩んで慕うあなたに逢えるという言葉は、たとえ偽りであってもうれしいものであった。
鑑賞
巻第八 恋歌下 460

 恋に悩みながら慕うあなたに逢えるという言葉は、偽りであってさえうれしかった、と詠む歌である。嘘とわかっていても喜んでしまう心に、恋の切実さを表している。
 巻第七の巻末の第四百二十首は、頼みとする言の葉さえないことを嘆いており、本歌はその言の葉が偽りであってもうれしいと詠んで、言葉にすがる恋心を別の側から描いている。

 初句「恋ひわぶる」は、恋に思い悩むの意で、本巻の第四百二十五首、第四百三十五首、第四百六十五首の初句「恋ひわびて」と同じ動詞を用いる。
 二句「君に逢ふてふ」は、あなたに逢うというの意で、「てふ」は「といふ」のつづまった形である。
 三句「言の葉は」は、言葉はの意である。
 四句「偽りさへぞ」は、偽りでさえもの意で、副助詞「さへ」は添加を表し、係助詞「ぞ」は結句の「ける」と係り結びをなしている。
 結句「嬉しかりける」は、うれしいものであったの意で、詠嘆の「けり」の連体形「ける」で、四句の「ぞ」を受けて結んでいる。

こひわぶ:恋に思い悩む
ことのは:言葉
出典
金葉和歌集
前の歌
たまさかに逢ふ夜は夢の心地して 恋しもなどかうつつなるらむ
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四方の海の浦々ごとにあされども あやしく見えぬいけるかひかな