あさましく涙に浮かぶ我が身かな
心軽くは思はざりしを
- 歌の意味
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あきれるほどに、涙の中に浮かぶわが身であることよ。軽い気持ちで思ったのではなかったのに。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 463
あきれるほどに涙の中に浮かぶわが身であることよ、軽はずみな気持ちで恋したのではなかったのに、と詠む歌である。浮かぶと軽いを縁語とし、真剣な恋でありながら浮かれた身のように涙に漂う自分を嘆いている。
初句「あさましく」は、本巻の第四百二十八首の「あさましげ」、巻末の第五百十五首の「あさましや」と同じ語である。
初句「あさましく」は、あきれるほどにの意で、本巻の第四百二十八首の四句「あさましげにも」、巻末の第五百十五首の初句「あさましや」と同じ語を用いる。
二句「涙に浮かぶ」は、涙の中に浮かぶの意で、あふれる涙を川や海に見立てている。
三句「我が身かな」は、わが身であることよの意で、詠嘆の終助詞「かな」で句切れとなる三句切れの歌である。
四句「心軽くは」は、軽い心ではの意で、二句の「浮かぶ」と縁語をなしている。
結句「思はざりしを」は、思わなかったのにの意で、打消の「ず」、過去の「き」に逆接の「を」が付いている。
うかぶ:水に浮く。浮かれた身の意を響かせる
- 出典
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たまさかに波の立ち寄る浦々は 何のみるめのかひかあるべき
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