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契りおきし人もこずゑの木の間より
頼めぬ月の影ぞ漏り来る

歌の意味
約束しておいた人も来ない。その梢の木の間から、あてにさせてもいなかった月の光が漏れてくることだ。
鑑賞
巻第八 恋歌下 470

 来ると約束した人は来ないのに、梢の木の間から、約束もしていない月の光ばかりが漏れてくる、と詠む歌である。来ずと梢を掛け、待つ人の代わりに訪れる月の光に、待ちわびる夜のわびしさを表している。
 本巻の第四百二十四首は月を見よとも約束しなかったのにと詠み、本歌も頼めぬ月を詠んでおり、約束と月とを結びつける点で通じている。

 初句「契りおきし」は、約束しておいたの意で、過去の「き」の連体形「し」を用い、字余りとなっている。
 二句「人もこずゑの」の「こずゑ」は、人が「来ず」の意と、木の「梢」とを掛けており、平仮名のままとした。
 三句「木の間より」は、木々の間からの意である。
 四句「頼めぬ月の」は、あてにさせたわけでもない月のの意で、約束をした人と対比させている。
 結句「影ぞ漏り来る」は、光が漏れてくることだの意で、係助詞「ぞ」と連体形「来る」の係り結びで結んでいる。

ちぎる:約束する。男女が将来を約束する
こずゑ:人が「来ず」の意と、木の「梢」を掛ける
たのむ:あてにさせる、期待させる
出典
金葉和歌集
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音に聞くたかしの浜のあだ波は かけじや袖の濡れもこそすれ
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