冬の夜の雪げの空に出でしかど
影よりほかに送りやはせし
- 歌の意味
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冬の夜の、雪の降り出しそうな空のもとに出て行ったけれども、自分の影のほかに、誰が送ってくれただろうか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 474
冬の夜の雪模様の空の下を帰って行ったが、自分の影のほかに見送ってくれるものなどあっただろうか、と詠む歌である。恋人に見送られることもなく、ひとり寒空の下を帰る男のわびしさを表している。
前歌の第四百七十三首が恋人を見送った魂がさまよい出たと詠むのに対し、本歌は影のほかに送るものもなかったと詠んでおり、送る側と送られる側から詠む二首が並んでいる。
作者の「経信」は、源道方の子で、大納言に至った源経信である。桂大納言と呼ばれ、本集の撰者源俊頼の父にあたる。小倉百人一首にも歌が採られている。
初句「冬の夜の」は、冬の夜のの意である。
二句「雪げの空に」は、雪の降り出しそうな空のもとにの意である。
三句「出でしかど」は、出て行ったけれどもの意で、過去の「き」の已然形「しか」に逆接の接続助詞「ど」が付いている。
四句「影よりほかに」は、自分の影のほかにの意である。
結句「送りやはせし」は、送ってくれただろうか、いやしなかったの意で、係助詞「やは」が反語を表し、過去の「き」の連体形「し」で結んでいる。
ゆきげ:雪の降りそうな気配、雪模様
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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送りては帰れと思ひし魂の ゆきさすらひて今朝はなきかな
- 次の歌
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行方なくかきこもるにぞ引き繭の いとふ心のほどは知らるる