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早くより浅き心と見てしかば
思ひ絶えにき山川の水

歌の意味
早くから浅い心だと見ていたので、思いはもう断ち切ってしまった。浅く流れる山川の水のように。
鑑賞
巻第八 恋歌下 477

 早くからあの人を浅い心の人だと見抜いていたので、思いはもう絶ってしまった、山川の浅い水のように、と詠む歌である。浅い流れの山川の水を相手の心にたとえ、早々に恋をあきらめた心を表している。

 初句「早くより」は、早くからの意で、山川の流れの速さを響かせている。
 二句「浅き心と」は、浅い心だとの意で、結句の「山川の水」と縁語をなしている。
 三句「見てしかば」は、見たのでの意で、完了の「つ」、過去の「き」の已然形「しか」に接続助詞「ば」が付いている。
 四句「思ひ絶えにき」は、思いを断ってしまったの意で、完了の「ぬ」に過去の「き」が付き、ここで句切れとなる四句切れの歌である。「絶え」は水の流れが絶える意も響かせている。
 結句「山川の水」は、山の中を流れる川の水の意で、浅い心をたとえ、体言止めで結んでいる。

おもひたゆ:思いが絶える。望みを失う
やまかは:山の中を流れる川
作者
よみ人しらず
出典
金葉和歌集
前の歌
人はいさありとやすらむ忘られて 問はれぬ身こそなき心地すれ
次の歌
漏らさばや細谷川の埋もれ水 影だに見えぬ恋に沈むと