- 歌の意味
- むなしく過ぎてゆく月日が恨めしい。あの人と逢った時を、しだいに遠く隔ててゆくと思うと。
- 鑑賞
-
巻第八 恋歌下 487
むなしく過ぎてゆく月日が恨めしい、あの人と逢ったあの時を、日々遠ざけていくと思うと、と詠む歌である。逢った日がしだいに遠い過去となっていくことを、月日への恨みとして表している。
初句「あぢきなく」は、どうにもならず、むなしくの意である。
二句「過ぐる月日ぞ」は、過ぎてゆく月日がの意で、係助詞「ぞ」は三句の「恨めしき」と係り結びをなしている。
三句「恨めしき」は、恨めしいの意で、連体形で二句の「ぞ」を受けて結び、三句切れとなる。
四句「逢ひ見しほどを」は、逢った時をの意で、過去の「き」の連体形「し」を用いる。
結句「隔つと思へば」は、隔ててゆくと思うとの意で、倒置により恨めしい理由を示している。
あひみる:男女が逢う、契りを結ぶ
へだつ:間を離す、遠ざける
- 出典
- 金葉和歌集
- 前の歌
- 人知れずなき名はたてど唐衣 重ねぬ袖はなほぞ露けき
- 次の歌
- つらしとも思はむ人は思ひなむ 我なればこそ身をば恨むれ