み熊野に駒のつまづく青つづら
君こそ我がほだしなりけれ
- 歌の意味
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熊野の山道で馬がつまずく青つづらのように、あなたこそが私をつなぎとめる絆なのであった。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 493
熊野の山道で馬の足をからめてつまずかせる青つづらのように、あなたこそが、私の身をつなぎとめて自由にさせない絆であったのだ、と詠む歌である。山道のつる草に寄せて、離れようとしても離れられない恋の束縛を表している。
初句「み熊野に」は、熊野にの意で、「み」は美称の接頭語である。上三句は四句以下の「ほだし」を導く序詞となっている。
二句「駒のつまづく」は、馬がつまずくの意である。
三句「青つづら」は、山野に生える、つるの長い草の意で、馬の足にからみつくものとして詠まれている。
四句「君こそ我が」は、あなたこそが私のの意で、係助詞「こそ」は結句の「けれ」と係り結びをなしている。
結句「ほだしなりけれ」は、絆であったのだの意で、「ほだし」は馬の足をつなぐ綱から転じて、人を束縛するものをいう。詠嘆の「けり」の已然形「けれ」で、四句の「こそ」を受けて結んでいる。
みくまの:熊野。「み」は美称
あをつづら:つるの長い野生の草
ほだし:馬の足をつなぐ綱。転じて、人を束縛するもの
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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あしひきの山のまにまに倒れたる からきはひとり臥せるなりけり
- 次の歌
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こりつむるなげきをいかにせよとてか 君にあふこのひとすぢもなし