津の国のまろやは人をあくたがは
君こそつらきせぜは見えしか
- 歌の意味
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摂津の国の丸屋に住む私が、どうして人に飽きたりしようか。芥川の瀬々のように、つらい仕打ちが見えたのは、あなたのほうこそだったのに。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 495
摂津の国の歌枕を連ねて、私があなたに飽きたのではない、つらい仕打ちを見せたのはあなたのほうだ、と言い返す歌である。丸屋と自分を指すまろ、芥川と飽くとを掛け、川の瀬々に寄せて相手の薄情を責めている。語義には解釈の分かれる点がある。
初句「津の国の」は、摂津の国のの意で、以下の地名を導いている。
二句「まろやは人を」の「まろや」は、葦などで葺いた粗末な家の「丸屋」と、自分を指す「まろ」とを掛けているとみられ、平仮名のままとした。
三句「あくたがは」は、「飽く」意と、摂津の歌枕の「芥川」とを掛けており、平仮名のままとした。
四句「君こそつらき」は、あなたこそがつらいの意で、係助詞「こそ」は結句の「しか」と係り結びをなしている。
結句「せぜは見えしか」は、瀬々が見えたのだの意で、「せぜ」は川の浅瀬の意と、折々の意とを重ねている。過去の「き」の已然形「しか」で、四句の「こそ」を受けて結んでいる。
まろや:葦などで葺いた粗末な家の「丸屋」と、自分を指す「まろ」を掛けるとみられる
あくたがは:「飽く」意と、摂津の歌枕の「芥川」を掛ける
せぜ:川の浅瀬の意と、折々の意を重ねる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
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こりつむるなげきをいかにせよとてか 君にあふこのひとすぢもなし
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あふみてふ名はたかしまと聞こゆれど いづらはここにくるもとの里