逢ふことの今はかたみの目をあらみ
漏りて流れむ名こそ惜しけれ
- 歌の意味
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逢うことが今は難しくなり、目の粗い竹籠から水が漏れるように、二人の仲が漏れて世に流れていく評判こそが惜しまれる。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 500
逢うことが今は難しくなったうえに、目の粗い籠から水が漏れ流れるように、二人の仲の評判が世に漏れ流れていくのが惜しい、と詠む歌である。難みと筐、籠の目と人目などを重ね、逢えないまま浮名だけが広まる嘆きを表している。
本巻の第五百一首、第五百二首も「逢ふこと」で始まって「かた」の音を用いており、逢うことの難さを掛詞で詠む歌が続いている。
初句「逢ふことの」は、逢うことがの意である。
二句「今はかたみの」の「かたみ」は、逢うことが「難み」、難しいのでの意と、竹で編んだ籠の「筐」とを掛けており、平仮名のままとした。
三句「目をあらみ」は、目が粗いのでの意で、名詞に「を」と形容詞の語幹と「み」が付いて原因を表す形である。籠の目に、人目の意を響かせている。
四句「漏りて流れむ」は、漏れて流れていくだろうの意で、籠から水が漏れることと、噂が漏れ広まることとを重ねている。
結句「名こそ惜しけれ」は、評判こそが惜しいの意で、係助詞「こそ」を形容詞「惜し」の已然形「惜しけれ」で受ける係り結びとなっている。
かたみ:逢うことが「難み」の意と、竹籠の「筐」を掛ける
な:評判、うわさ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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はかるめることのよきのみ多かれば そらなげきをばこるにやあるらむ
- 次の歌
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逢ふことはかたねぶりなる磯ひたひ ひねり臥すともかひやなからむ