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逢ふことはかたねぶりなる磯ひたひ
ひねり臥すともかひやなからむ

歌の意味
逢うことは難しく、ひとり寝の浅い眠りをするばかりで、磯の際で身をよじって伏し悶えても、貝が拾えないように、その甲斐もないのだろう。
鑑賞
巻第八 恋歌下 501

 逢うことは難しく、ひとり寝の浅い眠りに、磯の際で身をよじって伏し悶えても、貝が拾えないように何の甲斐もないだろう、と詠む歌である。難しと片寝ぶり、貝と甲斐などを掛けているとみられ、逢えない恋のもどかしさを戯れた調子で表している。語義には不明な点が多い。
 本巻の第五百首、第五百二首と同じく、「かた」の音に逢うことの難さを掛けている。

 初句「逢ふことは」は、恋人に逢うことはの意である。
 二句「かたねぶりなる」の「かた」は、逢うことが「難し」の意と、ひとり寝の「片」寝ぶりの意とを掛けているとみられ、平仮名のままとした。
 三句「磯ひたひ」は、磯の際の意とみられ、海辺の景を導いている。
 四句「ひねり臥すとも」は、身をよじって伏してもの意で、逆接仮定の「とも」を用いる。
 結句「かひやなからむ」の「かひ」は、磯の「貝」と、「甲斐」とを掛けており、平仮名のままとした。係助詞「や」と推量の「む」で疑問を表している。本巻の第四百六十一首、第四百六十二首の「かひ」も同じ掛詞である。

かたねぶり:ひとり寝の浅い眠りの意とみられ、「難し」を掛ける
いそひたひ:磯の際の意とみられる
かひ:磯の「貝」と、「甲斐」を掛ける
作者
よみ人しらず
出典
金葉和歌集
前の歌
逢ふことの今はかたみの目をあらみ 漏りて流れむ名こそ惜しけれ
次の歌
逢ふことのかたのに今はなりぬれば 思ふかりのみ行くにやあるらむ