近江にかありといふなるかれひ山
君は越えけり人と寝くさし
- 歌の意味
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近江にあるというかれひ山を、あなたは越えてきたのだな。ほかの人と寝たようなにおいがする。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 503
近江にあるというかれひ山を、あなたは越えてきたのだ、ほかの人と寝たようなにおいがする、と詠む歌である。かれひ山の名に、心が離れる意の「離れ」や、乾かした飯の「乾飯」を響かせ、ほかの女のもとから来た男を戯れながら責めているとみられる。語義には不明な点が多い。
初句「近江にか」は、近江にの意で、係助詞「か」が不確かさを表している。
二句「ありといふなる」は、あるというの意で、伝聞の「なり」の連体形「なる」を用いる。
三句「かれひ山」は、近江にあるとされる山の名で、心が「離れ」る意と、乾かした飯の「乾飯」とを響かせているとみられる。
四句「君は越えけり」は、あなたは越えてきたのだなの意で、詠嘆の「けり」で句切れとなる四句切れの歌である。
結句「人と寝くさし」は、ほかの人と寝たようなにおいがするの意で、「くさし」はにおう意を表し、皮肉を込めて結んでいる。
かれひ:乾かして携行する飯。乾飯
かれひやま:近江にあるとされる山。「離れ」の意を響かせるとみられる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
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逢ふことのかたのに今はなりぬれば 思ふかりのみ行くにやあるらむ
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逢ふことはながめふる屋の板びさし さすがにかけて年の経ぬらむ