数ならぬ身をうぢ川のはしばしと
言はれながらも恋ひわたるかな
- 歌の意味
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物の数にも入らないわが身をつらく思い、宇治川の橋の端々のように取るに足りない者と言われながらも、橋を渡るように恋い続けていることだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 509
物の数にも入らない身をつらく思い、宇治川の橋の端々のように取るに足りない者と言われながらも、橋を渡るように恋い続けている、と詠む歌である。憂しと宇治、橋々と端々、渡るを重ね、身分違いの恋をやめられない心を表している。
本巻の第四百三十一首と同じ結句「恋ひわたるかな」を持ち、第四百二十二首の「恋ひわたる」と同じく、渡るの意を橋と響かせている。
初句「数ならぬ」は、物の数にも入らない、取るに足りないの意である。
二句「身をうぢ川の」の「うぢ」は、身を「憂し」と思う意と、山城の歌枕の「宇治川」とを掛けており、平仮名のままとした。
三句「はしばしと」の「はしばし」は、宇治川の「橋々」と、取るに足りない者の意の「端々」とを掛けており、平仮名のままとした。
四句「言はれながらも」は、言われながらもの意で、受身の「る」と逆接の接続助詞「ながら」を用いる。
結句「恋ひわたるかな」は、恋い続けることだの意で、「わたる」は継続の意に橋を渡る意を響かせ、三句の「橋」と縁語をなしている。本巻の第四百三十一首の結句と同じである。
うぢ:身を「憂し」と思う意と、山城の歌枕の「宇治川」を掛ける
はしばし:宇治川の「橋々」と、取るに足りない者の意の「端々」を掛ける
こひわたる:恋い続ける
- 出典
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逢ふことを問ふ石神のつれなさに 我が心のみ動きぬるかな
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