幾千代も君ぞ語らむ積もりゐて
面白かりし花の御幸を
- 歌の意味
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幾千年もの間、あなたこそ語り伝えるだろう。花が降り積もって、すばらしかったこの花の御幸のことを。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 520
幾千年もあなたこそ語り伝えるだろう、花びらが降り積もって見事だったこの花見の御幸のことを、と詠む歌である。前歌の第五百十九首で、老いた永縁があと何年人に語れるだろうかと嘆いたのに対し、千年も長生きして語り伝えるだろうと祝って答えている。
前歌の「語らむ」を二句でそのまま受け、「今幾年か」の問いに「幾千代も」と答える形で、贈答の機知を見せている。
初句「幾千代も」は、幾千年もの間の意で、前歌の四句「今幾年か」に対し、千年の長寿を祝う言葉で答えている。
二句「君ぞ語らむ」は、あなたこそ語り伝えるだろうの意で、係助詞「ぞ」を受けて推量の「む」の連体形で結ぶ係り結びとなっている。前歌の結句「人に語らむ」をそのまま受けている。ここで句切れとなり、倒置により結句の「花の御幸を」へと続いていく。
三句「積もりゐて」は、降り積もっての意で、散り敷いた花びらのさまをいうとみられる。あわせて年齢が積もる意を響かせているとも読める。
四句「面白かりし」は、すばらしかったの意で、過去の「き」の連体形「し」が結句にかかる。
結句「花の御幸を」は、花見の御幸のことをの意である。二句の「語らむ」の目的語が倒置されて最後に置かれている。
みゆき:天皇や上皇の外出。御幸
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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行く末のためしと今日を思ふとも 今幾年か人に語らむ
- 次の歌
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もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし