- 歌の意味
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このままではとても住み続けることはできそうにない。山里の細い谷川のように心細いので。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 532
このような状態ではとても住み続けることはできそうにない、山里を流れる細い谷川のように心細いので、と詠む歌である。山里の侘び住まいの寂しさに耐えきれない心を、細谷川の流れの細さに重ねて表している。
本巻の第五百十七首は、山里も憂き世を離れていないと嘆いており、本歌は山里の心細さを嘆いている。世を逃れる場所であるはずの山里が、どちらの歌でも安らぎの場とはなっていない。
初句「かくてしも」は、このような状態ではの意で、副助詞「しも」が強調を添えている。
二句「えぞ住むまじき」は、とても住むことはできそうにないの意で、副詞「え」と打消推量の「まじ」が呼応して不可能を表す。係助詞「ぞ」を受けて連体形「まじき」で結ぶ係り結びとなり、ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「山里の」は、山里のの意で、本巻の第五百十七首の初句「山里も」と同じ語である。
四句「細谷川の」は、細い谷川のの意で、ここまでが結句の「心細さ」を導く序詞となっている。「細谷川」の「細」と「心細さ」の「細」とを重ねている。
結句「心細さに」は、心細いのでの意で、二句の理由を倒置によって示している。
ほそたにがは:細い谷川
- 出典
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金葉和歌集
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ますらをは山田の庵に老いにけり 今幾千代にあはむとすらむ
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草の庵なに露けしと思ひけむ 漏らぬ岩屋も袖は濡れけり