もろともに西へや行くと月影の
隈なき峰を尋ねてぞ来し
- 歌の意味
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月とともに西へ行けるだろうかと思って、月の光の曇りなく照る峰を訪ねてきたのだ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 539
月とともに西方浄土へ行けるだろうかと思って、月の光が曇りなく照らす峰を訪ねてやって来たのだ、と詠む歌である。前歌の第五百三十八首で、隈なき峰の月を見ているだろうとうらやまれたのに対し、出家した人が、月が西に沈むように自分も西方浄土へ行きたいと願って山に入ったのだと答えている。
前歌の四句「隈なき峰」をそのまま受けて答えており、二首で贈答をなしている。本巻の第五百八十首も、西へ行く月に極楽往生の願いを託している。
初句「もろともに」は、月といっしょにの意である。本巻の第五百二十一首の初句と同じ語である。
二句「西へや行くと」は、西へ行けるだろうかと思っての意で、西は西方極楽浄土を表す。係助詞「や」は疑問を表す。
三句「月影の」は、月の光のの意である。
四句「隈なき峰を」は、曇りなく照る峰をの意で、前歌の第五百三十八首の四句「隈なき峰の」を受けている。
結句「尋ねてぞ来し」は、訪ねてきたのだの意で、係助詞「ぞ」を受けて過去の「き」の連体形「し」で結ぶ係り結びとなっている。
にし:西方極楽浄土
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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うらやまし憂き世を出でていかばかり 隈なき峰の月を見るらむ
- 次の歌
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早くより頼みわたりし鈴鹿川 思ふことなる音ぞ聞こゆる