早くより頼みわたりし鈴鹿川
思ふことなる音ぞ聞こゆる
- 歌の意味
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ずっと以前から頼みにし続けてきた鈴鹿川よ。思っていたことがかなうという、鈴が鳴るような音が聞こえてくる。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 540
ずっと前から頼みにし続けてきた鈴鹿川から、願いがかなうことを告げる鈴の鳴るような音が聞こえてくる、と詠む歌である。鈴鹿川の「鈴」から鈴が「鳴る」ことを導き、それに願いが「成る」意を掛けて、長年の願いがかなう喜びを表している。
鈴鹿川は伊勢国の歌枕で、伊勢へ向かう道筋にあたる。伊勢にかかわる人の願いがかなったことを祝う歌とみられる。
初句「早くより」は、ずっと以前からの意である。
二句「頼みわたりし」は、頼みにし続けてきたの意で、「わたる」は時間的な継続を表す。
三句「鈴鹿川」は、伊勢国の歌枕である。その名の「鈴」が四句の「なる」と縁語をなしている。
四句「思ふことなる」の「なる」は、願いが「成る」意と、鈴が「鳴る」意とを掛けており、平仮名のままとした。
結句「音ぞ聞こゆる」は、音が聞こえてくるの意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「聞こゆる」で結ぶ係り結びとなっている。
なる:願いが「成る」意と、鈴が「鳴る」意を掛ける
たのみわたる:頼みにし続ける
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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もろともに西へや行くと月影の 隈なき峰を尋ねてぞ来し
- 次の歌
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琴の音や松吹く風に通ふらむ 千代のためしにひきつべきかな