琴の音は月の影にも通へばや
空に調べの澄みのぼるらむ
- 歌の意味
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琴の音は月の光にも通い合うからだろうか、空へと調べが澄みのぼっていくのだろう。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 543
琴の音は月の光にも通い合うからだろうか、その調べが空へと澄みわたってのぼっていく、と詠む歌である。澄んだ琴の音色が月の明るい夜空へと響きのぼるさまを、琴の音と月光の通い合いとしてとらえている。
第五百四十一首から続く琴の歌三首の最後の歌で、松風、秋風に続き、本歌では月の光に琴の音が通うと詠んでいる。初句「琴の音は」は、第五百四十一首の初句「琴の音や」と呼応している。
初句「琴の音は」は、琴の音はの意で、第五百四十一首の初句「琴の音や」と呼応している。
二句「月の影にも」は、月の光にもの意である。
三句「通へばや」は、通い合うからだろうかの意で、已然形に接続助詞「ば」、係助詞「や」が付いて疑問を表し、結句の「らむ」と係り結びをなしている。第五百四十一首の三句「通ふらむ」、前歌の結句「通ひけるかな」と同じ語を用いている。
四句「空に調べの」は、空に琴の調べがの意である。
結句「澄みのぼるらむ」は、澄みわたってのぼっていくのだろうの意で、原因推量の「らむ」の連体形で、三句の「や」を受けて結んでいる。「澄み」は二句の「月」と縁をなしている。
しらべ:音楽の調子、旋律
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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うれしくも秋の深山の秋風に うひ琴の音の通ひけるかな
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玉櫛笥二見の浦の貝しげみ 蒔絵に見ゆる松のむら立ち