磯菜摘む入江の波の立ち返り
君見るまでの命ともがな
- 歌の意味
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磯菜を摘む入江の波が寄せては返すように、また立ち返ってあなたに会うまで、命が続いてほしいものだ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 551
磯菜を摘む入江に寄せては返す波のように、再び帰ってきてあなたに会う時まで、命があってほしいものだ、と詠む歌である。遠く旅立つ人、あるいは別れていく人との再会を願い、それまで生きていたいという切実な思いを、入江の波に託して表している。
次歌の第五百五十二首も海人や袖の浦を詠む海辺の歌で、二首で海辺の景に別れの思いを託している。
初句「磯菜摘む」は、磯に生える海藻を摘むの意である。
二句「入江の波の」は、入江に寄せる波のの意で、初句からここまでが三句の「立ち返り」を導く序詞となっている。
三句「立ち返り」は、波が寄せては返す意と、再び帰ってくる意とを重ねている。
四句「君見るまでの」は、あなたに会うまでのの意である。
結句「命ともがな」は、命であってほしいものだの意で、願望の終助詞「もがな」で結んでいる。
いそな:磯に生える海藻
いりえ:海や湖が陸地に入り込んだ所
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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大江山いくのの道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立
- 次の歌
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長居する海人のしわざと見るからに 袖の浦にも満つ涙かな