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うたた寝の夢なかりせば別れにし
昔の人をまたも見ましや

歌の意味
うたた寝の夢がなかったならば、死に別れた昔の人を、再び見ることがあっただろうか。
鑑賞
巻第九 雑歌上 553

 うたた寝の中で見る夢がなかったならば、死に別れた昔の人に再び会うことなどできただろうか、と詠む歌である。うたた寝の夢に亡き人の面影を見たことを、夢があったからこそ再会できたと受け止め、亡き人への思慕を表している。
 『古今和歌集』の小野小町の「うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものは頼みそめてき」が恋しい人を夢に見た喜びを詠んだのに対し、本歌は亡き人を夢に見る哀傷の歌としている。
 作者の「顕季」は、藤原隆経の子で、修理大夫に至り、六条藤家の祖となった藤原顕季である。白河院の近臣として重んじられた。

 初句「うたた寝の」は、うたた寝のの意で、横になるつもりもなくうとうと眠ることをいう。
 二句「夢なかりせば」は、夢がなかったならばの意で、過去の「き」の未然形「せ」に接続助詞「ば」が付いて、事実に反する仮定を表している。
 三句「別れにし」は、別れてしまったの意で、ここでは死別をいう。
 四句「昔の人を」は、昔親しんだ人をの意で、亡き人を指す。
 結句「またも見ましや」は、再び見ることがあっただろうか、いやなかったの意で、反実仮想の「まし」に係助詞「や」が付いて反語を表している。二句の「せば」と呼応している。

うたたね:横になるつもりもなくうとうと眠ること
作者
藤原顕季
出典
金葉和歌集
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長居する海人のしわざと見るからに 袖の浦にも満つ涙かな
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