鷺のゐる松原いかに騒ぐらむ
しらげはうたて里とよむなり
- 歌の意味
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鷺がとまっている松原は、どれほど騒いでいることだろうか。米をつく音がいやなほどに里中に響いているようだ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 556
鷺がとまっている松原はどんなに騒いでいることだろう、米をつく音がいやなほどに里中に響きわたっているようだ、と詠む歌である。米を白くつき上げる音が里に響くのを聞き、白い鷺を連想して、松原の鷺が驚き騒いでいるだろうと興じて詠んでいる。「しらげ」に白い鷺を響かせた、機知に富む歌である。
作者の「和泉式部」は、越前守大江雅致の娘で、上東門院彰子に仕えた女房である。恋多き歌人として知られ、小式部内侍の母である。小倉百人一首にも歌が採られている。
初句「鷺のゐる」は、鷺がとまっているの意である。
二句「松原いかに」は、松原はどれほどの意で、「いかに」は三句の「らむ」と呼応している。
三句「騒ぐらむ」は、騒いでいるのだろうかの意で、現在推量の「らむ」が、見えない松原の様子を推し量っている。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「しらげはうたて」の「しらげ」は、米をついて白くする意の「精げ」と、鷺の白い毛の意の「白毛」とを掛けているとみられ、平仮名のままとした。「うたて」は、いやなほどに、ひどくの意である。
結句「里とよむなり」は、里に響いているようだの意で、推定の「なり」が、音を聞いて推し量っていることを表している。
しらぐ:米をついて白くする意の「精げ」と、鷺の白い毛の意の「白毛」を掛けるとみられる
とよむ:音が鳴り響く
- 作者
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和泉式部
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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家の風吹かぬものゆゑ恥づかしの 森の言の葉散らし果てつる
- 次の歌
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梓弓さこそは反りの高からめ はるほどもなくかへるべしやは