いかにせむ山田に囲ふ垣柴の
しばしの間だに隠れなき世を
- 歌の意味
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どうしたらよいのだろうか。山の田を囲う垣の柴のように、ほんのしばらくの間でさえ身を隠すことのできないこの世の中を。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 559
どうしたらよいのだろうか、山の田を囲う柴垣のように、ほんのしばらくの間さえ身を隠していることのできないこの世の中を、と詠む歌である。人の目や噂から逃れて身を隠すこともできない世の窮屈さを嘆いている。
作者の「相模」は、相模守大江公資の妻であったことからこの名で呼ばれた女房で、脩子内親王に仕えた。小倉百人一首にも歌が採られている。
初句「いかにせむ」は、どうしたらよいだろうかの意で、ここで句切れとなる初句切れの歌である。
二句「山田に囲ふ」は、山の田に囲いをするの意で、獣を防ぐために田を囲うことをいう。
三句「垣柴の」は、垣に用いる柴のの意で、初句からここまでが、同音の繰り返しによって四句の「しばし」を導く序詞となっている。
四句「しばしの間だに」は、しばらくの間でさえの意で、副助詞「だに」が軽いものを挙げて重いものを類推させる働きをしている。
結句「隠れなき世を」は、隠れることのできないこの世をの意で、垣の柴が田を隠しきれないことにも通じている。初句の「いかにせむ」に対して倒置の形で結んでいる。
かきしば:垣に用いる柴
- 作者
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相模
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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無き名にぞ人のつらさは知られける 忘られしには身をぞ恨みし
- 次の歌
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忘られて嘆く袂を見るからに さもあらぬ袖のしをれぬるかな