身の憂さも問ふ一言に塞かれつつ
こころつくしの道はとまりぬ
- 歌の意味
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我が身のつらさも、見舞ってくれたあなたの一言にせき止められて、心を尽くして思い悩む筑紫への道の旅は、とりやめになった。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 572
我が身のつらさも、見舞ってくれたあなたの一言によってせき止められて、心を尽くして思い悩む筑紫への旅はとりやめとなった、と詠む歌である。筑紫へ下ることになっていたのが、ある人の見舞いの一言によって取りやめになった喜びと感謝を、「心尽くし」と「筑紫」の掛詞を用いて表している。
作者の「花園左大臣家小大進」は、花園左大臣源有仁の家に仕えた女房である。菅原在良の娘とされる。
初句「身の憂さも」は、我が身のつらさもの意である。
二句「問ふ一言に」は、見舞ってくれたあなたの一言にの意で、「問ふ」は訪ねる、見舞う意である。
三句「塞かれつつ」は、せき止められての意で、受身の「る」に接続助詞「つつ」が付いている。
四句「こころつくしの」は、心を尽くして思い悩む意の「心尽くし」と、地名の「筑紫」とを掛けており、平仮名のままとした。
結句「道はとまりぬ」は、道の旅は取りやめになったの意で、完了の「ぬ」で言い切って結んでいる。三句の「塞かれ」と縁をなしている。
とふ:訪ねる、見舞う
せく:せき止める
こころつくし:心を尽くして思い悩む意の「心尽くし」と、地名の「筑紫」を掛ける
- 作者
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花園左大臣家小大進
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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思ひきや雲居の月をよそに見て 心の闇に惑ふべしとは
- 次の歌
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寝ぬる夜のかへさわかしく見えしかど 我が違ふれば事なかりけり