西へ行く心は我もあるものを
ひとりな入りそ秋の夜の月
- 歌の意味
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西方浄土へ行こうという心は私にもあるのだから、ひとりで山に入ってしまわないでくれ、秋の夜の月よ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 580
西方浄土へ行きたいという心は私にもあるのだから、ひとりだけで西の山に入ってしまわないでくれ、秋の夜の月よ、と詠む歌である。西の山に沈んでいく月を、西方極楽浄土へ向かうものと見て、自分も連れて行ってほしいと月に呼びかけ、極楽往生を願う心を表している。
本巻の第五百三十九首も、月とともに西へ行こうと詠んでいる。本歌は西へ入る月に、自分を置いて行かないでほしいと呼びかけている。
初句「西へ行く」は、西へ行くの意で、西方極楽浄土へ往生することをいう。本巻の第五百三十九首の二句「西へや行くと」と通じている。
二句「心は我も」は、心は私にもの意である。
三句「あるものを」は、あるのだからの意で、接続助詞「ものを」が用いられている。
四句「ひとりな入りそ」は、ひとりで入ってしまわないでくれの意で、「な…そ」で禁止を表す。月が山に沈むことをいう。ここで句切れとなる。
結句「秋の夜の月」は、秋の夜の月よの意で、呼びかけとして体言止めで結んでいる。
にし:西方極楽浄土
- 出典
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金葉和歌集
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ことわりや曇ればこそは真澄鏡 映れる影も見えずなるらめ
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まつ我はあはれ八十になりぬるを あぶくま川の遠ざかりぬる