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三笠山神のしるしのいちしるく
しかありけりと聞くぞうれしき

歌の意味
三笠山の神のご霊験がはっきりと現れて、そのとおりであったと聞くのがうれしいことだ。
鑑賞
巻第九 雑歌上 582

 三笠山の春日の神のご霊験がはっきりと現れ、願いのとおりであったと聞くのはうれしいことだ、と詠む歌である。春日の神に願っていたことがかなったと聞き、神のご加護をたたえて喜んでいる。藤原氏にかかわる人の慶事を祝った歌とみられる。
 三笠山は春日社の背後の山で、春日の神の使いとされる鹿にちなみ、「しか」に「鹿」と「然か」とを掛けている。本巻の第五百三十七首も春日山を詠んでいる。

 初句「三笠山」は、大和国の三笠山で、春日社の背後にあり、春日の神の山とされる。本巻の第五百三十七首の初句「春日山」と同じく、春日の神にかかわる山である。
 二句「神のしるしの」は、神のご霊験がの意である。
 三句「いちしるく」は、はっきりとの意で、二句の「しるし」と同じ音を重ねている。
 四句「しかありけりと」の「しか」は、そのようにの意の「然か」と、春日の神の使いとされる「鹿」とを掛けており、平仮名のままとした。
 結句「聞くぞうれしき」は、聞くのがうれしいの意で、係助詞「ぞ」を受けて形容詞の連体形「うれしき」で結ぶ係り結びとなっている。

しるし:霊験、ご利益
しか:そのようにの意の「然か」と、春日の神の使いとされる「鹿」を掛ける
出典
金葉和歌集
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