石畳ありけるものを君にまた
しくものなしと思ひけるかな
- 歌の意味
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石畳というものもあったのに、あなたに及ぶものはほかにないと思い込んでいたことだ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 593
敷き並べた石畳というものもあったのに、あなたに及ぶものはほかにないと思い込んでいたことだ、と詠む歌である。「しく」に、石を「敷く」意と、及ぶ意の「如く」とを掛け、相手を何よりすぐれたものと思っていたが、ほかにも敷くものがあったのだと興じて詠んでいる。
相手をたたえつつも、たわむれの心を込めた機知の歌である。
初句「石畳」は、平らな石を敷き並べたものの意で、四句の「しく」と縁語をなしている。
二句「ありけるものを」は、あったのにの意で、過去の「けり」の連体形に逆接の接続助詞「ものを」が付いている。
三句「君にまた」は、あなたにまたの意である。
四句「しくものなしと」の「しく」は、石を「敷く」意と、及ぶ意の「如く」とを掛けており、平仮名のままとした。
結句「思ひけるかな」は、思っていたことだの意で、過去の「けり」の連体形に詠嘆の終助詞「かな」が付いている。本巻の第五百六十九首の結句と同じ句である。
いしだたみ:平らな石を敷き並べたもの
しく:石を「敷く」意と、及ぶ意の「如く」を掛ける
- 出典
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金葉和歌集
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聞きわたる御手洗川の水清み 底の心を今日ぞ見るべき
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あはれまむと思ふ心は広けれど はぐくむ袖の狭くもあるかな