世の中は憂き身に添へる影なれや
思ひ捨つれど離れざりけり
- 歌の意味
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世の中というものは、つらい我が身に寄り添う影なのであろうか。思い捨てようとしても、離れないことだ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 595
世の中というものは、つらいこの身に寄り添う影なのだろうか、思い捨てようとしても離れていかない、と詠む歌である。世を捨てたいと思っても、影が身から離れないように世の中から離れることができない嘆きを表している。
本巻の第五百七十六首が、親しい人は寄り添わないが涙だけは後れずについてくると詠んだのに対し、本歌は離れようとしても世の中が影のように寄り添うと詠んでいる。
作者の「俊頼」は、大納言源経信の子で、白河院の命を受けて本集を撰進した源俊頼である。
初句「世の中は」は、世の中というものはの意である。
二句「憂き身に添へる」は、つらい身に寄り添っているの意で、存続の「り」の連体形が用いられている。本巻の第五百七十六首の「添はねども」と対照をなしている。
三句「影なれや」は、影なのであろうかの意で、断定の「なり」の已然形に係助詞「や」が付いて疑問を表し、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「思ひ捨つれど」は、思い捨てようとしてもの意で、逆接の接続助詞「ど」が用いられている。
結句「離れざりけり」は、離れないことだの意で、打消の「ず」に詠嘆の「けり」が付き、影のように離れない世の中への嘆きを込めて結んでいる。
うきみ:つらいことの多い身
- 作者
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源俊頼
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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あはれまむと思ふ心は広けれど はぐくむ袖の狭くもあるかな
- 次の歌
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うち頼む人の心はあらち山 こしぢ悔しき旅にもあるかな