いたづらに過ぐる月日を数ふれば
昔を偲ぶ音こそ泣かるれ
- 歌の意味
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むなしく過ぎていく月日を数えてみると、昔を懐かしんで、声をあげて泣かずにはいられない。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 598
何もなしえないまま、むなしく過ぎていく月日を数えてみると、昔を懐かしく偲んで、声をあげて泣かずにはいられない、と詠む歌である。いたずらに過ぎる歳月を思い、華やかだった昔を偲んで涙する心を表している。
本巻の第五百六十二首の三句「数ふれば」と同じ句を用い、過ぎた年月を数える嘆きを詠んでいる。第五百六十二首が奉仕した年月を数えて老いを嘆いたのに対し、本歌はむなしく過ぎた月日を数えて昔を偲んでいる。
作者の「師頼」は、左大臣源俊房の子で、大納言に至った源師頼である。堀河百首の作者の一人である。
初句「いたづらに」は、むなしくの意である。
二句「過ぐる月日を」は、過ぎていく月日をの意である。
三句「数ふれば」は、数えてみるとの意で、已然形に接続助詞「ば」が付いている。本巻の第五百六十二首の三句と同じ句である。
四句「昔を偲ぶ」は、昔を懐かしく思い出すの意である。
結句「音こそ泣かるれ」は、声をあげて泣かずにはいられないの意で、係助詞「こそ」を受けて自発の「る」の已然形「るれ」で結ぶ係り結びとなっている。
ねをなく:声をあげて泣く
- 作者
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源師頼
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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思ひやる心さへこそ苦しけれ あらちの山の冬のけしきは
- 次の歌
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変はりゆく鏡の影を見るたびに おいその森の嘆きをぞする