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変はりゆく鏡の影を見るたびに
おいその森の嘆きをぞする

歌の意味
変わっていく鏡に映る姿を見るたびに、老蘇の森の名のように、老いの嘆きをすることだ。
鑑賞
巻第九 雑歌上 599

 年とともに変わっていく鏡に映る自分の姿を見るたびに、老蘇の森の名のように、老いの嘆きをすることだ、と詠む歌である。鏡に映る老いた自分の姿に、歌枕「老蘇の森」の名に重ねて、年老いていくことへの嘆きを表している。
 本巻の第五百七十九首も鏡を詠んでおり、鏡に映る姿を題材としている。第五百七十九首が曇って映らない鏡を詠んだのに対し、本歌は老いの姿をはっきり映す鏡を詠んでいる。

 初句「変はりゆく」は、変わっていくの意で、年とともに容貌が衰えていくことをいう。
 二句「鏡の影を」は、鏡に映る姿をの意で、本巻の第五百七十九首の「真澄鏡」「映れる影」と通じている。
 三句「見るたびに」は、見るたびごとにの意である。
 四句「おいその森の」の「おいそ」は、近江国の歌枕である「老蘇の森」と、「老い」とを掛けており、平仮名のままとした。
 結句「嘆きをぞする」は、嘆きをすることだの意で、「なげき」の「き」に森の「木」を響かせている。係助詞「ぞ」を受けて連体形「する」で結ぶ係り結びとなっている。

おいそのもり:近江国の歌枕「老蘇の森」と、「老い」を掛ける
出典
金葉和歌集
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