日の光あまねき空のけしきにも
我が身ひとつは雲隠れつつ
- 歌の意味
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日の光があまねく照らしている空の様子の中にあっても、我が身ひとつだけは、雲に隠れたままでいる。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 602
日の光がすべてに降り注ぐ空の様子の中でも、我が身ひとつだけは雲に隠れて光を受けられずにいる、と詠む歌である。日の光を天皇や院の恩恵にたとえ、人々が等しく恩恵にあずかる中で、自分だけが取り残されて不遇のままであることを嘆いている。
次歌の第六百三首は、本歌に周防内侍が答えた歌で、二首で贈答をなし、巻を結んでいる。本巻の第五百八十六首でも、作者は官途に恵まれず老いた身を嘆いている。
作者の「俊頼」は、大納言源経信の子で、白河院の命を受けて本集を撰進した源俊頼である。
初句「日の光」は、太陽の光の意で、天皇や院の恩恵をたとえている。
二句「あまねき空の」は、すべてにゆきわたる空のの意で、「あまねし」は広くすみずみまで及ぶことをいう。
三句「けしきにも」は、様子の中にもの意である。
四句「我が身ひとつは」は、我が身ひとつだけはの意で、二句の「あまねき」と対比して、自分だけが取り残されていることを強調している。
結句「雲隠れつつ」は、雲に隠れたままでいるの意で、反復継続の接続助詞「つつ」で余韻を残して結んでいる。次歌の第六百三首の三句「雲晴れて」が、この「雲隠れ」を受けている。
あまねし:広くすみずみまで及ぶ
くもがくる:雲に隠れる
- 作者
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源俊頼
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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雲の上に馴れにしものを葦鶴の あふことかたに下りゐぬるかな
- 次の歌
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何か思ふ春の嵐に雲晴れて さやけき影は君のみぞ見む