露の身の消えもはてなば夏草の
ははいかにしてあらむとすらむ
- 歌の意味
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露のようにはかない私の身がすっかり消えてしまったら、夏草の葉のように残される母は、どのようにして生きていこうとするのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 619
露のようにはかない我が身がすっかり消えてしまったならば、残された母はどのようにして生きていくのだろうか、と詠む歌である。死を前にした子が、自分の命よりも後に残る母の身を案じる思いを表している。
本巻の第六百十五首も、母に先立つ子の悲しみを詠んでいる。また「露の身」は本巻の第六百十三首にも詠まれ、そこでは見舞いの言葉に起き上がる身であったのに対し、本歌では消えようとする身として詠まれている。
初句「露の身の」は、露のようにはかない身がの意である。本巻の第六百十三首の三句「露の身も」と同じ語である。
二句「消えもはてなば」は、すっかり消えてしまったならばの意で、完了の「ぬ」の未然形に接続助詞「ば」が付いて仮定を表す。「消え」は「露」の縁語である。
三句「夏草の」は、夏草のの意で、草の「葉」を導き、四句の「はは」にかかる。露の置く夏草の景を添えている。
四句「はは如何にして」は、母はどのようにしての意で、夏草の「葉は」に「母」を掛けている。
結句「あらむとすらむ」は、生きていこうとするのだろうかの意で、推量の「む」に、現在推量の「らむ」が付いて結んでいる。
はは:夏草の「葉は」の意と、「母」の意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
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夢にのみ昔の人をあひ見れば 覚むるほどこそ別れなりけれ
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もろともに苔の下にも朽ちもせで 埋もれぬ名を見るぞ悲しき