いさぎよき空の気色を頼むかな
我惑はすな秋の夜の月
- 歌の意味
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清らかに澄んだ空の様子を頼みにしていることだ。私を迷わせないでくれ、秋の夜の月よ。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 628
清らかに澄みわたった空の様子を頼みとしている、秋の夜の月よ、どうか私を迷わせないでくれ、と詠む歌である。曇りのない秋の夜の月に、迷いを照らす仏の教えを重ね、悟りへの道を照らしてほしいと願う心を表している。
巻第九の第五百八十首も、「秋の夜の月」に呼びかけて結ぶ歌で、西へ入る月に連れて行ってほしいと願っている。本巻でも月を仏道の導きとする歌が、第六百三十首、第六百三十一首と続いていく。
作者の「行尊」は、参議源基平の子で、園城寺の僧として大僧正に至った人物である。修験者として諸国の霊場で修行したことでも知られる。小倉百人一首にも歌が採られている。
初句「いさぎよき」は、清らかに澄んだの意である。
二句「空の気色を」は、空の様子をの意である。
三句「頼むかな」は、頼みとすることだの意で、終助詞「かな」で言い切る三句切れの歌である。
四句「我惑はすな」は、私を迷わせるなの意で、終助詞「な」が禁止を表し、ここで句切れとなる。
結句「秋の夜の月」は、秋の夜の月よの意で、呼びかけとして体言止めで結んでいる。巻第九の第五百八十首の結句と同じである。
けしき:様子、ありさま
まどはす:迷わせる。ここでは仏道に迷わせることをいう
- 作者
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行尊
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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見しままに我は悟りを得てしかば 知らせで取ると知らざらめやは
- 次の歌
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心には厭ひはてつと思ふらむ あはれいづくも同じ憂き世を