命をも罪をも露にたとへけり
消えばともにや消えむとすらむ
- 歌の意味
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命も罪も、ともに露にたとえてきたことだ。それならば、命が消えるときには、罪もともに消えようとするのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 633
人の命も罪も、ともに露にたとえてきたのだから、命が消えるときには、罪もいっしょに消えるのだろうか、と詠む歌である。はかない命を露にたとえる歌の伝統と、罪は霜や露のように仏の智慧によって消えるとする仏典の教えとを重ね合わせ、罪の消える救いへの思いを表している。
観普賢経には、もろもろの罪は霜や露のようなもので、智慧の日の光によって消し去ることができると説かれており、本歌はこれを踏まえている。
初句「命をも」は、命もの意である。
二句「罪をも露に」は、罪をも露にの意で、初句の「命をも」と「も」を重ねて並べている。
三句「たとへけり」は、たとえてきたことだの意で、詠嘆の「けり」で言い切る三句切れの歌である。
四句「消えばともにや」は、消えたならばいっしょにの意で、係助詞「や」が疑問を表し、結句の「らむ」で結ぶ係り結びとなっている。
結句「消えむとすらむ」は、消えようとするのだろうかの意で、四句の「消え」を重ねている。「露」「消え」が縁語となっている。
つみ:仏教でいう罪障。悟りや往生の妨げとなる悪い行い
- 出典
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金葉和歌集
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かくばかり東風てふ風の吹くを見て 塵の疑ひを起こさずもがな
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吹き返す鷲の山風なかりせば 衣の裏の玉を見ましや