草の葉に門出はしたりほととぎす
死出の山路もかくや露けき
- 歌の意味
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草の葉の上に旅立ちはしたことだ。ほととぎすよ、死出の山路もこのように露にぬれているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 645
草の葉の露の上を踏んで旅立ちはした、ほととぎすよ、死出の山路もこのように露にぬれているのだろうか、と詠む歌である。死出の山から来て鳴くとされるほととぎすに、死後にたどる山路のさまを問いかけ、草の葉の露に涙を重ねて、死出の旅路への思いを表している。
「露」は本巻の第六百十三首、第六百十九首、第六百三十三首にも詠まれ、はかない命や罪のたとえとなっている。
初句「草の葉に」は、草の葉の上にの意で、露の置く草の葉を指している。
二句「門出はしたり」は、旅立ちはしたの意で、完了の「たり」で言い切る二句切れの歌である。
三句「ほととぎす」は、ほととぎすよの意で、呼びかけである。ほととぎすは死出の山を越えて来る鳥とされ、死出の田長とも呼ばれる。
四句「死出の山路も」は、死後に越えるという死出の山の道もの意で、三句の「ほととぎす」と縁をなしている。
結句「かくや露けき」は、このように露っぽいのだろうかの意で、係助詞「や」を受けて連体形「露けき」で結ぶ係り結びとなっている。初句の「草の葉」と照応し、露に涙を重ねている。
かどで:旅立ち
しでのやまぢ:死後に越えるという冥土の山の道
- 出典
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金葉和歌集
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あさましや剣の枝のたわむまで こは何のみのなれるなるらむ
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たゆみなく心をかくる弥陀仏 人やりならぬ誓ひたがふな