春の日ののどけき空に降る雪は
風に乱るる花にぞありける
- 歌の意味
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春の日ののどかな空に降る雪は、実は風に乱れて散る花であったのだ。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 668
春の日ののどかな空に降る雪と見えたものは、実は風に乱れて散る桜の花であった、と詠む歌である。散る花を雪に見立てる趣向を、のどかな春の空と、風に乱れる花との取り合わせで表している。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第一の第五十六首の次に置かれている。第五十六首は花を見る夜の浮雲を風のつらさと比べる歌で、次の巻第一の第五十七首は花を誘う嵐を詠み、風と散る花の歌が続いている。
作者の「仲正」は、源頼綱の子で、兵庫頭となった源仲正である。源頼政の父にあたる。
初句「春の日の」は、春の日のの意である。
二句「のどけき空に」は、のどかな空にの意で、風が花を乱すさまと対比されている。
三句「降る雪は」は、降る雪はの意で、散る花を雪に見立てている。
四句「風に乱るる」は、風に乱れて散るの意である。巻第一の第五十六首の四句「風のつらさに」と同じく、花を散らす風を詠んでいる。
結句「花にぞありける」は、花であったのだの意で、係助詞「ぞ」を受けて詠嘆の「けり」の連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。
みだる:風に吹かれて散り乱れる
- 作者
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源仲正
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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山桜梢の風の寒ければ 花の盛りになりぞわづらふ
- 次の歌
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白雲と峰には見えて桜花 散れば麓の雪とこそ見れ