卯の花の青葉も見えず咲きぬれば
雪ぞ花のみかはるなりけり
- 歌の意味
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卯の花が、青葉も見えないほどに咲いてしまったので、まるで雪であり、雪と変わるのは花であるということだけなのだ。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 672
卯の花が青葉も見えないほど一面に咲いたので、その姿はまるで雪であり、雪と違うのはそれが花であるということだけだ、と詠む歌である。卯の花を雪に見立てる趣向を、青葉を覆い尽くすほどの咲きぶりによって強めている。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、前歌の第六百七十一首に続いて、本集の巻第二の第百三首の次に置かれている。巻第二の第百首も、卯の花を雪とまがえる歌である。
初句「卯の花の」は、卯の花がの意である。
二句「青葉も見えず」は、青葉も見えないほどにの意で、花が一面に咲くさまをいう。
三句「咲きぬれば」は、咲いてしまったのでの意で、完了の「ぬ」の已然形に接続助詞「ば」が付いて理由を表す。
四句「雪ぞ花のみ」は、雪であって、花であることだけがの意で、係助詞「ぞ」が強めを表している。卯の花を雪に見立てている。
結句「かはるなりけり」は、違っているのだったの意で、断定の「なり」に詠嘆の「けり」が付いて結んでいる。
うのはな:初夏に白い花をつける空木の花
あをば:若葉が茂って青々とした葉
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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卯の花を音無川の波かとて ねたくも折らで過ぎなけるかな
- 次の歌
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稲荷山尋ねや見まし時鳥 待つにしるしのなきと思へば