藤袴はやほころびてにほはなむ
秋の初風吹きたたずとも
- 歌の意味
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藤袴よ、早くつぼみをほころばせて香ってほしい。秋の初風が吹き始めなくても。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 675
藤袴よ、たとえ秋の初風がまだ吹き始めていなくても、早くつぼみを開いて香ってほしい、と詠む歌である。秋の訪れを待たずに、香りのよい藤袴が咲くことを願う心を表している。「袴」の縁で「ほころぶ」を用いている。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第三の第百五十七首の次に置かれている。第百五十七首も「秋の初風」で結ぶ歌で、本歌の四句と同じ語を共有している。
初句「藤袴」は、藤袴よの意で、秋の七草の一つで香りのよい花である。
二句「はやほころびて」は、早くつぼみを開いての意で、「ほころぶ」は、袴の縫い目がほどける意と縁をなしている。
三句「にほはなむ」は、香ってほしいの意で、終助詞「なむ」が他に対する願望を表し、三句切れとなる。
四句「秋の初風」は、秋になって初めて吹く風の意である。巻第三の第百五十七首の結句「秋の初風」と同じ語である。
結句「吹きたたずとも」は、吹き始めなくてもの意で、接続助詞「とも」が逆接の仮定を表す。三句以前と倒置になっている。
ふぢばかま:秋の七草の一つで、香りのよい花
ほころぶ:つぼみが開く意で、袴の縫い目がほどける意を響かせる
はつかぜ:その季節になって初めて吹く風
- 出典
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金葉和歌集
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時鳥一声鳴きて明けぬれば あやなく夜のうらめしきかな
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月影のすみわたるかな天の原 雲吹き払ふ夜半の嵐に