今はしも穂に出でぬらむ東路の
石田の小野の篠の小薄
- 歌の意味
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今はもう穂を出していることだろう。東へ向かう道の石田の小野の、篠の小薄は。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 680
今ごろはもう穂を出していることだろう、東国へ向かう道沿いの石田の小野に生える篠の小薄は、と詠む歌である。遠く離れた野の薄を思いやり、秋の深まりを感じ取っている。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第三の第二百三十七首の次に置かれている。次の巻第三の第二百三十八首も、行く人を招く野辺の花薄を詠んでいる。
初句「今はしも」は、今はもうの意で、副助詞「しも」が強めを表している。
二句「穂に出でぬらむ」は、穂を出していることだろうの意で、完了の「ぬ」に現在推量の「らむ」が付き、二句切れの歌である。
三句「東路の」は、東国へ向かう道のの意である。
四句「石田の小野の」は、石田の小野のの意で、山城国の歌枕である。
結句「篠の小薄」は、篠のように細い小薄の意で、体言止めで結んでいる。二句以前と倒置になっている。
ほにいづ:薄などの穂が出る
あづまぢ:都から東国へ向かう道
いはたのをの:山城国の石田の小野。歌枕
をすすき:薄。「を」は語調を整える接頭語
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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秋ならで妻呼ぶ鹿を聞きしかな 折から声の身にはしむかと
- 次の歌
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川霧の立ちこめつれば高瀬舟 分け行く棹の音のみぞする