愛発山雪降り積もる高嶺より
冴えても出づる夜半の月かな
- 歌の意味
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愛発山の、雪が降り積もる高い峰から、冷たく冴えて昇ってくる夜半の月であることだ。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 685
雪が降り積もる愛発山の高い峰から、冷たく冴えた光を放って昇ってくる夜半の月であることよ、と詠む歌である。雪の白さと月の光の冷たさを重ね、冬の山の厳しく澄んだ情景をとらえている。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第四の第二百九十三首の次に置かれている。第二百九十三首は、月と雪とを詠んだ歌である。愛発山は、巻第九の第五百九十六首、第五百九十七首にも詠まれている。
初句「愛発山」は、越前国の愛発山の意で、北陸道の要所にあたる雪深い山である。
二句「雪降り積もる」は、雪が降り積もるの意である。
三句「高嶺より」は、高い峰からの意である。
四句「冴えても出づる」は、冷たく冴えて昇ってくるの意で、雪の冷たさと月光の冷たさを重ねている。
結句「夜半の月かな」は、夜半の月であることだの意で、終助詞「かな」で詠嘆して結んでいる。巻第四の第二百九十三首も月と雪とを詠んでいる。
あらちやま:越前国の愛発山。北陸道の要所で、雪深い山とされる
たかね:高い峰
さゆ:冷え冷えとする。光が冷たく澄む
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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風速みとしまが崎を漕ぎ行けば 夕波千鳥立ち居鳴くなり
- 次の歌
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なかなかに霜の上着を重ねても 鴛の毛衣冴えまさるらむ