なかなかに霜の上着を重ねても
鴛の毛衣冴えまさるらむ
- 歌の意味
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かえって、霜という上着を重ねても、鴛鴦の羽毛の衣はいっそう冷えまさっていることだろう。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 686
鴛鴦の羽毛の衣は、霜という上着を重ねて着ても、かえっていっそう冷たく冴えていることだろう、と詠む歌である。羽に置く霜を上着に見立て、重ね着をしてもかえって寒さが増すという逆説によって、冬の夜の水辺の寒さを表している。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第四の第二百九十六首の次に置かれている。続く巻第四の第二百九十七首、第二百九十八首も鴛鴦を詠み、第二百九十八首は霜夜に冴える鴛鴦の独り寝を思いやっている。
作者の「待賢門院堀河」は、神祇伯源顕仲の娘で、待賢門院璋子に仕えた女房である。小倉百人一首にも歌が採られている。
初句「なかなかに」は、かえっての意で、予想と逆の結果になることを表している。
二句「霜の上着を」は、霜という上着をの意で、羽に置く霜を上着に見立てている。
三句「重ねても」は、重ねて着てもの意で、接続助詞「ても」が逆接の仮定を表す。
四句「鴛の毛衣」は、鴛鴦の羽毛を衣に見立てた語である。巻第四の第二百九十八首も鴛鴦を詠んでいる。
結句「冴えまさるらむ」は、いっそう冷えまさっているだろうの意で、現在推量の「らむ」で結んでいる。巻第四の第二百九十八首の四句「さゆる霜夜の」と、霜と冴えることを共有している。
うはぎ:上に重ねて着る衣
をしのけごろも:鴛鴦の羽毛を衣に見立てた語
さゆ:冷え冷えとする
- 作者
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待賢門院堀河
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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愛発山雪降り積もる高嶺より 冴えても出づる夜半の月かな
- 次の歌
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朝日とも月ともわかず束の間も 君を忘るる時しなければ