- 歌の意味
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どうして袂に月が宿ることがあろうか。月の光を待ち受けて映す涙でなかったならば。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 702
月の光を待ち受けて映す涙がなかったならば、どうして袂に月が宿ることがあろうか、と詠む歌である。月を眺めて流す涙に月の光が映るさまを、袂に月が宿ると言い表し、月に寄せるもの思いの深さを表している。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第九の第五百三十六首の次に置かれている。前後には月に寄せて我が身を思う歌が並んでいる。
初句「いかでかは」は、どうしての意で、反語を表している。
二句「袂に月の」は、袂に月がの意である。
三句「宿らまし」は、宿ることがあろうかの意で、反実仮想の「まし」が初句の「いかでかは」と呼応して反語を表し、三句切れとなる。
四句「光待ちとる」は、月の光を待ち受けて映すの意である。
結句「涙ならずは」は、涙でなかったならばの意で、打消の「ず」の連用形に係助詞「は」が付いて仮定を表す。三句以前と倒置になっている。
やどる:月の光が水などに映る
まちとる:待ち受けて迎える
- 出典
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金葉和歌集
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あやしきも嬉しかりけりおとしむる その言の葉にかかると思へば
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