夜な夜なはまどろまでのみありあけの
つきせずものを思ふころかな
- 歌の意味
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毎夜毎夜、まどろむこともなく、ただ起きたまま有明の月を迎えて、尽きることなくもの思いをするこのごろであることだ。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 703
毎夜毎夜、まどろむこともなく起きたまま有明の月を迎え、尽きることなくもの思いをしているこのごろである、と詠む歌である。眠れぬ夜を重ねる嘆きを、有明の月の景に寄せて表している。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第九の第五百八十四首の次に置かれている。第五百八十四首は、冬の夜も滞らないのは涙であると我が身の憂さを嘆く歌である。
初句「夜な夜なは」は、毎夜毎夜はの意である。
二句「まどろまでのみ」は、まどろむこともなくばかりの意で、打消の接続助詞「で」と副助詞「のみ」が用いられている。
三句「ありあけの」は、起きたままでいる意の「あり」と、夜明けの空に月が残る「有明」を掛けている。
四句「つきせずものを」は、尽きることなくもの思いをの意で、有明の「月」と、「尽きせず」を掛けている。
結句「思ふころかな」は、もの思いをするこのごろであることだの意で、終助詞「かな」で詠嘆して結んでいる。
まどろむ:うとうとと眠る
ありあけ:「まどろまでのみあり」の「あり」と、有明の月の「有明」を掛ける
つき:有明の「月」と、「尽きせず」の「尽き」を掛ける
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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いかでかは袂に月の宿らまし 光待ちとる涙ならずは
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住吉のまつかひありて今日よりは なにはのことも知らずばかりぞ