住吉のまつかひありて今日よりは
なにはのことも知らずばかりぞ
- 歌の意味
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住吉の松ではないが、待ったかいがあって、今日からは、難波のことではないが、何事も思い悩むことはないほどだ。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 704
住吉の松のように待ち続けたかいがあって、今日からは、何事も思い悩むことはないほどだ、と詠む歌である。住吉の「松」に「待つ」を、「難波」に「何は」を掛け、長く待った願いがかなった喜びを表していると解される。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第九の第五百九十二首の次に置かれている。第五百九十二首は、住吉社の神主であった津守国基が御手洗川を詠んだ歌で、本歌も住吉に寄せている。
初句「住吉の」は、摂津国の住吉のの意で、住吉社とその松で知られる歌枕である。
二句「まつかひありて」は、待ったかいがあっての意で、住吉の「松」と「待つ」を掛けている。
三句「今日よりは」は、今日からはの意である。
四句「なにはのことも」は、何事もの意の「何は」と、住吉に近い「難波」を掛けている。
結句「知らずばかりぞ」は、知らないほどであるの意で、何事も気にかけずにいられるほどだということをいう。係助詞「ぞ」で強めて結んでいる。
まつ:住吉の「松」と、「待つ」を掛ける
なには:摂津国の難波と、「何は」を掛ける
かひ:効果、しるし
- 出典
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金葉和歌集
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夜な夜なはまどろまでのみありあけの つきせずものを思ふころかな
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あやめ草ねをのみかくる世の中に をりたがへたる花桜かな