いかにせむ憂き世の中にすみがまの
果ては煙となりぬべき身を
- 歌の意味
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どうしたらよいだろう。つらい世の中に住んで、炭竈のように、最後には煙となってしまうに違いないこの身を。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 707
つらい世の中に住み続けて、炭竈の炭が煙となるように、最後には火葬の煙となってしまうに違いないこの身を、どうしたらよいだろうか、と詠む歌である。「住み」と「炭竈」を掛け、はかない我が身の行く末を嘆いている。
本歌は、本集の伝本のうち異本にのみ見える歌で、異本の配列では、本集の巻第十の第六百二十八首の次に置かれている。次の巻第十の第六百二十九首は、どこへ行っても同じ憂き世であると詠み、本歌と「憂き世」を共有している。また巻第十の第六百二十一首、第六百二十二首も火葬の煙を詠んでいる。
初句「いかにせむ」は、どうしたらよいだろうの意で、推量の「む」が用いられ、初句切れの歌である。
二句「憂き世の中に」は、つらい世の中にの意である。巻第十の第六百二十九首の結句「同じ憂き世を」と通じている。
三句「すみがまの」は、世に「住み」の意と、炭を焼く「炭竈」を掛けている。
四句「果ては煙と」は、最後には煙となっての意で、炭竈の煙に、火葬の煙を重ねている。巻第十の第六百二十二首の結句「煙と思へば」と通じている。
結句「なりぬべき身を」は、なってしまうに違いない身をの意で、完了の「ぬ」に当然の「べし」の連体形が付いている。初句と倒置になっている。「炭竈」「煙」が縁語となっている。
すみがま:「住み」と、炭を焼く「炭竈」を掛ける
けぶり:煙。ここでは火葬の煙をいう
- 出典
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金葉和歌集
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虫の音はこの秋しもぞなきまさる 別れの遠くなる心地して
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